少し前の事ですが某損保の紹介で新規のお客様の修理依頼を受けた時の話です。
車両保険はあるもも25万、ぱっと見40万くらいの修理で乗り換えてもいいくらいの年式の車でした。
中古有るか無いかわからないけど探しましょうか?と提案し取りあえず着工許可書にサインをもらってお車をお預かりし、どうするか後日お客様の意向をうかがうことになった。
その後、修理してほしいとの連絡があり中古を使ってできるだけ負担を小さくしてくれとの意向を確認し着工することになりました。
ちょうど盆前でギリギリ間に合うぐらいの期間だったのですぐに部品をオーダーしました。
一般的にはこれで後は修理を進めていき作業後に結果を連絡するお客様がほとんどなのですがこの方は中古パーツと新品パーツを見比べて選択したいとか負担はいくらになるのかと色々と気になるご様子でした。
実際やってみないと分からないところもあったのではっきりとは言いたくなかったのですが9割がた負担なしで行けるだろうとふんでいたので負担なしでいけます。但し部品は既に発注してるのでキャンセルできませんと答えました。
作業後予定どうり負担なしで仕上げて納車するも釈然としない様子だったので何かご質問とかありますか?と聞くもブツブツ何か言って家に戻っていかれるお客様。
不穏なものを感じつつもサインはもらえたから良しとして盆休みを温泉でほっこり過ごしていました。
そろそろ帰ろうかなというときにメールの着信があり確認するとそのお客様からのクレームが入っているとの連絡でした。
マジかよ・・・ほっこり気分から一気にストレスマックス。しかも長文だし。
内容としては・・・
1,中古を使ってほしいと言ったのに中古がないと新品部品で見積された。
2,バンパーを中古で使うことを知ったお客様がどういうことか問い合わせたところもう発注しているか らキャンセルできないと言われた。
3,使用する部品について正しい連絡がなかった。
4,乱暴な言葉遣いで対応された。
大体こんなところでした。事実と誤解が入り混じって窮地に陥っていると思いましたね。私はひとつひとつ当社の立場を損保に説明していきました。
1,中古を使ってほしいと言ったのに中古がないと新品部品で見積された。
中古は無いとは言ってないんですよね。あるかどうか調べてみないと分からないと言ったんですが似たニュアンスですが口頭の怖いところです。
中古を使う予定でも新品部品で概算を出すのは修理業界に携わっている人なら常識なのですが一般の人には理解しずらいかもしれませんね。新品で概算を出さないと過失割合で損をするのはお客様なのですが・・・
2,バンパーを中古で使うことを知ったお客様がどういうことか問い合わせたところもう発注しているか らキャンセルできないと言われた。
これも事実と誤解が入り混じってめっちゃ悪者になってる。
バンパーは最初から新品を使うと説明していて実際新品のバンパーを交換していたのです。
ボンネットでは中古を発注した後新品と中古を見て選択したいという話はありました。お客様はバンパーとボンネットを勘違いして新品のバンパーを中古だと言ってる・・・
中古と新品ボンネットを見比べて選びたいとかもしかして新品ボンネットも最初から色付きだと思っておられるのではないだろうか?新品ボンネットは色塗ってないですよー。
大体残った方の部品代はどうするのか?自分が払うつもりだったんでしょうかね?
そして納期も遅れて盆には間に合わなかったでしょう。キャンセル不可はサインをもらった着工指示書にその文言がある。
3,使用する部品について正しい連絡がなかった。
概算を出したときに見積書を送っています。まあバンパーとボンネットを混同されるかたに他の部品がどこまで理解できるのか疑問ですが。
4,乱暴な言葉遣いで対応された。
確かに連絡するうちにだんだんイラついてきてましたが怒鳴ったりはしてないです。感情が声に出てたかもしれなかったと謝罪済みでした。
こう当社の立場を説明して損保が理解を示さないならもう手を引いてもいいかなと思っていたが損保も当社の立場を理解してくれてホッとしました。
お客様も悪い人では無いのですが多分我々の業界は思われる以上に専門性が高かったのではないでしょうか。いいところに住まれていて身なりもいい方でしたので多分大学も出てられたと思います。
そういう方でも初見で全てを正しく理解し把握するのは難しい。そして保険を使って修理をする事故にあうのは普通一生に2回程度でしょう。
そのために車体整備士やアジャスター並みの知識を得ようとするのは時間の無駄、人生の無駄といっても過言ではないですよね。
車体整備士の資格を取るための講習(毎日曜日6時間を半年間)を受けても今回の件を完全に理解するのは難しいのではないだろうか。プロは涼しい顔でこなしていますが実際、事故車の修理はそれほど一筋縄ではなかったりする。
なので説明責任があると言っても限度があるのは事実でしょう。
個人的な見解ですが最低限、概算と大きな部品の交換予定修理予定を伝える打合せができればいいかなと思っています。(もちろん他も可能な限り伝えた方がいい)
細かいところはお客様の質問に答えることといざというときは着工指示書に修理方法は修理工場に一任するの文言でいいと思います。
そんな着工指示書のダウンロードはこちらから無料です。
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